

関税は国の産業を守るための重要な仕組みですが、アメリカの関税政策は世界経済や日本のビジネスに大きな影響を与えることが予想されます。本記事では、関税の基本から最新の動向、日本の主要産業への影響までをわかりやすくまとめました。

2025年の国際貿易において特に注目されているのが、アメリカのドナルド・トランプ大統領による関税政策です。
トランプ政権では保護主義的な政策を推進し、特定の国や産業に対して高い関税を課すことで、国内産業の保護と貿易交渉の強化を目指しています。
自国の産業を保護して国家の財政収入を確保するのは関税の本質に沿った改革ですが、強引かつ大胆な関税引き上げをして世界経済が混乱する状況になりました。
実際にどのようなビジネスが影響を受けるのかなど、関税の基本情報をどこよりも分かりやすく解説いたします。
トランプ関税の中でも特に重要視されているのが、米と自動車の関税です。
本記事を作成した時点では、いずれも協議中で結論が出ていません。
日本の主要な産業になるため、頻繁に見直されていく可能性もあります。

米については日本農業の中でも重要性が高い分野になり、昨今は令和の米騒動と呼ばれるほどの高騰を見せています。
米価格が従来の価格に戻る見通しがなく、備蓄米が底をついたり天候に恵まれなかったりすれば、更なる価格高騰をする可能性が高いです。
古々米放出により価格上昇が緩やかになったとはいえ、未だ予断を許さない状態には変わりません。
日本は海外産のお米に原則として高い関税をかけていますが、アメリカが関税を引き下げるように要望を出しています。
米の関税が下がってアメリカ産米が流通すれば、米価格の下落を期待できます。
一方で日本の米農家は生産しても売れなくなったり低価格化を強いられたりするなどして、厳しい状況に追い込まれるでしょう。
ただでさえ低い水準の国内自給率が大幅に下がるリスクがあり、これまで食べてきた美味しい日本米が高級食材に変わってしまうかもしれません。
そうなれば飲食店のビジネスモデルも変化を強いられることになります。
車に関しては日本車をアメリカに輸出する際の関税を引き上げ、アメリカ産自動車を輸入する際の関税を下げるように求められています。
道路環境の違いなどから、日本で車体が大きいアメリカメーカーの車がシェアを大きく伸ばすことは考えにくいです。
アメリカでも日本車は高いシェアを占めていますが、日本から輸出する際の関税が引き上げられて現地の販売価格が高くなれば売上が低迷するかもしれません。
国内自動車メーカーが衰退すれば関連企業の収益も悪化するなど、負の連鎖で経済が大打撃を受けるでしょう。
自動車産業が衰退すれば日本のGDPが大幅に下がる試算が出ていて、景気悪化や国力の衰退を引き起こす可能性があります。

2025年3月にアメリカはすべての国からの鉄鋼・アルミ製品に25%の追加関税をかけました。日本も対象になっています。
この関税によって資源価格が高騰し、様々な商品が値上がりする可能性が高いです。
関税の引き上げは流通量を不安定にさせる要素もあり、需要と共有のバランスが崩れやすい状況になることも価格高騰に拍車をかけます。
資源コストが上がると製造とは関係のない産業にも影響が及び、材料費の値上げ分をコストカットで賄わないといけない状況も多いです。
そうなると物価は上がるものの企業の利益が下がるといった悪循環が発生し、景気全体が悪い方向にいってしまいます。
不景気になれば金融機関も影響を被り、全く影響がない業種はほとんどありません。
スクラップ業は資源価格の高騰を歓迎しますが、トランプ関税では需給が不安定になる懸念から国内の鉄買取価格が大幅に下がるシーンが見られました。
極端かつ日本に不利な関税はメリットを得られる業種がほとんど存在しない状況を作り出します。

関税によって国内外の景気悪化が見込まれるようになり、政策金利の上昇傾向に待ったがかかりました。
日銀の政策金利は当初の予想よりも据置期間が長引く可能性が高まり、アメリカのFRBは利下げをするといった報道が活発になっています。
政策金利が変動すれば為替レートにも影響があり、貿易に関連した全てのビジネスに影響が出ます。
銀行などからの借入金利にも影響が出るため、融資などを受けているほぼ全てのビジネスも間接的に関税の影響を受けることになるでしょう。
ビジネスをするのであれば関税や政策金利などに関連したニュースに敏感でないといけません。
関税で貿易のバランスが変化するだけではなく、その先のことを予測してビジネスの戦略を立てることが大切です。